アービトラージ(Arbitrage)は、異なるブックメーカー間のオッズの差を利用して、その試合の結果がどのようになろうと、確実な利益を上げる方法です。例えば、2つのブックメーカーで同じ試合の結果に対するオッズ(賭けの倍率)が異なっている場合、低いオッズで賭けた方と高いオッズで賭けた方の両方に賭けることで、どちらの結果が出ても利益を得ることができます。
例えば、サッカーの試合で日本vs韓国の開催が発表され、オッズは下記のようになっていたとします。
ブックメーカー① 日本5.0倍 韓国 1.5倍
ブックメーカー② 日本1.2倍 韓国 2.0倍
ブックメーカー①で日本勝利に4,000円、ブックメーカー②で韓国勝利に6,000円ベットした場合
日本勝利 4,000円×5.0倍=20,000円(+10,000円)
韓国勝利 6,000円×2.0倍=12,000円(+2,000円)
どちらの結果になってもプラスになっていることが分かると思います。これがアービトラージのメカニズムです。
もちろん、サッカーだけでなく、野球にもアービトラージのメソッドは応用可能です。特に日本のプロ野球やメジャーリーグは、国内外のブックメーカーでオッズの違いが出やすいため、アービトラージのチャンスが増えると言えます。熱心なファンや詳しい情報を持つ人は、この違いを利用して効果的に賭けることができるでしょう。
但し、アービトラージは表面的には確実な利益を約束する手法のように思えますが、実際には多くのリスクや問題点が潜んでいます。例えば、ベットを行う過程でオッズが変動することがあり、これにより予想した利益が得られなかったり、場合によっては損失を被ることも考えられます。
また、一部のブックメーカーはアービトラージを行っているプレイヤーを特定し、彼らのベット額の上限を設けるなどの制限を加えることがあります。さらに、複数のブックメーカーを同時に利用する際の入出金の遅延やシステムトラブル、異なる通貨を用いる際の為替変動、そして入出金に伴う手数料などが、アービトラージで得た利益を減少させる要因となることもあります。これらのリスクを十分に考慮し、綿密な計画とリサーチが求められることを理解することが、アービトラージを成功させる鍵となります。